読書記録。

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角田光代 坂の途中の家 読了。

参った。

読み進むのが怖かった。

三歳の一人っ子の女の子の母親が主人公。

が、生後数カ月の女の子を虐待死させてしまった母親の裁判の裁判員に選ばれてしまうお話。

幸せのママと追い込まれ我が子を殺してしまう母親が、実は紙一重の違いしかない。

普通の母親のつもりだったのに裁判が進むにつれ自分と被告の違いが分からなくなっていく。

子どもに手を上げ夫に指摘され
すごい自己嫌悪を感じ

これからは絶対にこの子らを否定しない肯定し続けようと思ったこと、

夫や義母の一般的には普通に思える言動が恐怖になり

なにも言い返せなくなる。

親の様子を薄目で見ながら号泣したり駄々こねたりする三歳児の姿が超リアル。

角田さんは確か子供は居ないはず。

しばらく小説書けない時期があったと聞くがこのあとだったのかも。

まあ最後は裁判の終了とともにちょっと気持ちの整理もつき、このままの生活を続けられそうな終わり方に救いを感じた。