大変好きだけどちょっと読み進むのが苦手なときもある翻訳小説。
しかし話題作でもあった本作、素晴らしい本だった。
若者の死体が見つかるところから始まる犯人探しのミステリーのように。
だが大部分は不幸な生い立ちだが力強く生きる湿地の少女カイアの生涯を詳しく綴っていく。
訳者の方の解説にあるようにミステリーであり一人の少女の成長譚であり湿地帯の豊かな自然を描いたものでもあり貧困やカラードの人たちの人種や差別を描く社会派小説でもある。
裁判のシーンもかなりの読み応え。
どんでん返し的なものもある。
重い内容でもあるが翻訳も含め読み物として面白く読み進む手が止まらない良作だった。