安井かずみがいた時代読了。
切なく悲しいが、ある意味さわやかというかすがすがしい気持ちもする本だった。
自分より20歳くらい年上の安井かずみ。
作詞家ということおしゃれで自由奔放でカッコよかったこと加藤和彦と夫婦だったことなどはずっと前から知っていた。
若い頃エッセイも何冊かは読んだはず。
その頃は拓郎とかシンガーソングライターに心酔していて岡本おさみとか他の人が作詞するのも好きではなかった。
本文は著者が安井かずみと旧知だった人々にインタビューしながらその言葉と当時の歌詞を織り交ぜながら時系列に安井の生涯を辿っていく。
70年頃からのペニーレインでバーボンの時代の原宿からバブル期の六本木まで自分があこがれた時代の東京を舞台にきらびやかに話は進む。
当時の東京なんてほとんど行ったこともなかったが、懐かしくて切なくて甘酸っぱいような気持ちが蘇る。
前の御主人とかナベプロの渡辺会長さんまで。
キャンティ、あこがれたなあ。
思い出すと甘酸っぱいような切ない思いがする時代。
セレブでコスモポリタンでファッションリーダー、華やかな人生だけれどもなんとなく今で言う”痛い人”でもあったことがそこはかとなく分かる。
でもかわいい憎めない人だったんだろうな。
もう加藤和彦が逝ってからもかなりの日が経つ。