これも読み応えあるでも読みやすいいい作品だった。
有名なカメラマンユージンスミスと妻アイリーンの水俣取材の物語。
前半はユージン、アイリーンそれぞれの生い立ちを細かく記述。
なかなか水俣にたどりつかないがアメリカと日本の歴史を見直すような。
戦前戦後を複雑な生い立ちで過ごしたアイリーン。
沖縄戦に帯同したユージン図らずもまた太平洋戦争を読むことになった。
後半水俣に居を構え取材が始まるが自分が子供の頃TVで何の気無しに観てた座り込みや裁判の様子が克明に描かれる。
重たい描写が続くが震災後の東電と被災者と被る。
高度成長の時代から今もあまり変わっていない無力感。