ファンである高村薫氏、楽しみにしていた作品
探偵もの、シャーロックホームズはあまり読んでないけど子供の頃明智小五郎や金田一耕助は読みまくった。
大人になり読書にハマったのは桐野夏生氏の初期のミステリー作品で村野ミロ連作。
感情移入出来る主人公がいると先へ先へとページをめくる手が止まらなくなる読書の醍醐味を味わえる。
で高村作品に出会い合田雄一郎連作を楽しみにファンになる。
合田刑事も作者や読者と共に歳をとり今は若い刑事を教える教官となる。
この作品は現在起こった事件と12年前の未解決事件をどちらにもかかわる数名の主人公に密着してパラレルに詳しく追うストーリー。
ひとりひとりの感情を時間経過と共に細かく記述していく高村節に引きこまれる。
犯人をはっきりさせないままのエンディングは、本人は登場しない少女Aへの読者の思いに対してのやさしさかなと思う。