2021-03-21 読書記録。 尊敬する作家さん小川洋子氏。すごい作家さんとは思うが、とはいえあまり心底自分に合う作品と思えたものは猫を抱いて象と泳ぐくらいか。本作も小川洋子氏の作品のなかでは代表作ということで手にとったがなかなか手強かった。この作品も主人公のストーリーと主人公が書く物語と二つの話が並列で進むのだが最後の二つの融合が見事。人々の大事なものとそれにともなう記憶が一つずつ無くなっていくという設定。せつないけど何故か温かい感覚もある不思議な読後感。